
13日はストックホルムに着くとお昼までぶらぶらし、日本に持って帰ろうとライ麦パンや
ひまわりの種の入った黒いパンをたらふく買ってストックホルムの駅のコインロッカーに預けたバッグを取りに必死で歩いていた。
すると「やあ!」
声の方を振り向くと、ニッケルハルパ職人のソーレン・オーケル(Sören Åhker)だ。
「え!こんなとこでバッタリなんて!ひょっとして今日のセミナーで?」
と聞くとやっぱりそうみたい。
「また会ったね!」もう一人いて声をかけられた。
「あ、ダニエル!こんちわ!」
ダニエルは卒業生でもあり、今は有名なプレーヤーだ。
「荷物とりにいくとこだから、向こうでね!」と言い足早に別れた。
セミナーは、私が楽器のことを色々とおそわったエスビョンの主催。
今年で14回目を迎える(初日の様子、その他の写真)。
nordiska folkmusikinstrument、 北欧民族楽器セミナーと訳せる。
集まった人は、スウェーデン以外では、主にノルウェー、フィンランドの楽器職人、ミュージシャン、研究者だ。
初日はストックホルム。その後も約1週間続くが私の参加はこの日のみ。
音楽博物館に到着すると、学校のスタッフ、校長、エスビョンなどなどみんなからZornバッジの結果をオメデトウ!と言われた。
写真左上は、博物館外で雑談の様子。
右はダニエル。話している相手は研究家ペル・ウルフ。
ペール・ウルフの左は、Sigurd Sahlströmで、エリックサルストレムの息子。
さらにその奥、顔がちょうど見えないけど、ニッケルハルパ職人のウッレだ。
さっそく受付後はみんなでランチ。
すぐ側にある豪華なオペラ劇場の上のOpera Cafeにて。
写真のようにテラスでご飯は気持ちいい。
船着場を一望できる。
豪華なレストランなのにランチは日替わりで91krだった。
この日のメニューは、白身魚のフライ、ザリガニのタルタル、ポテトとパン。
ザリガニは初めてだったけど美味。
ロブスターっぽい食感で、海老より好き。
テーブルにはエストニア人の卒業生で、今はノルウェイに留学しているJの隣に座った。
ノルウェイでは、フィンランドのタルハルパを使って音大に留学しているのだとか。
(その楽器は、上記リンクのセミナーの写真に写っている)
カンテレをちっちゃくシンプルにした形で弓で弾く。
色んな楽器があるものだ。
さて博物館に戻るとさっそくエスビョンの演奏とウェルカム・スピーチでセミナーの開始。
まずは参加者の自己紹介から。
なんと、Erika&Ceciliaのセシリアが来ていた。
「フランス製のニッケルハルパを弾いています」と挨拶。
私の番になり一言だけ挨拶すると、エスビョンが割ってはいった。
「彼女は昨日Zornでディプロムをとりました。日本人初です。オメデトウ!」といい、最後列に座っていた私をみーんな一斉に振り返り拍手がおきた。
日本人初とはいえ、まだディプロムはたいしたことない。
どうしようと思いながら「Tack, tack!(ありがと)」と言い大きく頷くと静まった。
さてさて、初日のテーマはスウェーデンのニッケルハルパだ。
まずは博物館館長の挨拶、博物館の概要、本の宣伝など。
次はダニエル・ペテション(Daniel Pettersson)によるデモ演奏を交えながら、ペール・ウルフから研究報告。
そしてグンナル・アルベックによる、スウェーデンでおきたフォークミュージック・リバイバルとニッケルハルパの状況変化について。
そして、さらに館員の宣伝が入り、FIKA(ティーブレイク)。
館の人は、「この博物館で展示されず保存している楽器は膨大です。みなさん、どうぞ使ってください。ぜひこの財産を有効活用してください」と。
保存庫から持ち出した貴重な楽器がずらっとならんでいる(写真右上)。
ちなみに手前は緑のハーディガーディ。
Fikaではまた卒業生に会った。
若手有望視されているニッケルハルパ職人のミカエルだ。
「最近、作ってないらしいね?」と言うと
「そうそう。大学(マスター)でギターの勉強してて、後1年。
それからはもっと作るよ。学業と同時だからまだ8台しか作ってないんだよね」
「え!?8台であの評判!?ウロフが推薦してるからかな。すでに名前が有名だよ」と言うとたいそう喜んでいた。
日本のみんなにも、もう少し待ったらもっと作ると言っといてねと言われた。
8台は少ないけど、ウッレの300数台という数もすさまじいと思う。
ウッレの作るスピードが速い話は有名な話。
この楽器を欲しがっている人の手に早く届けることができ、普及にとても貢献している。
さて、FIKAの後は、うちの学校ESIの校長プレゼンとSigurd(エリックの息子)の演奏だ。
国がこの伝統的な音楽や楽器にどう関わっているか、教育機関やその取り組みは?といった内容。
日本では、伝統音楽を政府がサポートしているか、雑談の中で聞かれたことがある。
どうなんでしょう。あまり事情を知りません。
とはいえ、日本政府は炭鉱節のようなフォーク・ソングや地元の里神楽の保存と普及に税金を使いそうにない。
北欧諸国は、宮廷音楽ではなく、ローカルな民俗音楽・民俗楽器に税金を投入し、真剣に考えているということ。
博物館の館長が言っていた。
「楽器職人、ミュージシャン、それだけでは成り立たない。
研究者が真の価値を見出し、その成果や価値を社会に訴えかけていく必要がある」
さて、最後にアンデシュ(Anders Peev, Godrunメンバー)が登場。
これからの新しいニッケルハルパの形として、通称ガンバ・ハルパ(ヨハン・ヘディン考案、ペーデルシェルマン作の楽器で音域はテノール)を演奏した。
ガンバ・ハルパはバイオリン属ではなくガンバ属の形をしている。
そして4弦あり、チューニングはバイオリンと同じ。
そしてペーデル作の楽器は、一部、kvartston(半音の半分)がついている。
その後は貸切バスで全員でToboへ向かう。
(明日からのセミナーはToboで開催)
セミナーは時間がおしていて、バスの時間があるため最後はどたばたと切り上げて撤収。
私はフィンランドから来たタルハルパ研究者の車にのせてもった。ペール・ウルフも同乗し、Toboまでの道案内をした。
つづく



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