大事なニッケルハルパの弓を2本、電車でなくしてしまいました。
そんなに忘れっぽいほうではなく(家族は激しく否定)、普段の生活でうっかりとかあんまりないタイプです…。と言いつつ、書きながら思い出してきました。
ランドセルを持たず登校して教室について気づいたこと(でも、6年間の小学校生活で1度だけです!)受験の時に電車に乗り間違えたこと(でも生涯で1回だけ!)、日本からわざわざスウェーデンまで行って受けたソーンメルケの審査の時に反対の電車に乗った(あれ、生涯で2回目!?)。靴をなくしたのも生涯で1度きり、服をなくしたのもの1度きり、いや、2回(パーカーを旅行先の電車内に置いてきた!とか)。JR高槻と阪急高槻と、駅を勘違いしたのも1度だけ。子どもが幼稚園で抹茶をたててくれるお茶会の日、「おかーさん、今日は欠席ですか?」と電話がかかってきたのも1回だけ。
傘は、例外で、常にどこかの異次元に吸い込まれるようです。
あーこの生涯1度だけ(?)というのがやけに多いな。
他にも無くす方がいるかもしれないので(いるか!?)参考に経緯を説明しますと、その日はテノールハルパでレコーディングの日でした。テノールハルパのケースの弓ポケットはマチがなくピッタリした作りで、高価なフランスの弓を入れるとぱんぱん。以前知り合いからいただいた弓ケースに入れました。フランスの弓2本。そして、駅のベンチで楽器と弓ケースと自分の荷物を置いて、スタジオまでの駅徒歩の道順をスマホで確認して立ち上がり…、その後、出口を出て、弓ケースを持っていないことに気づいて同じ道順で落としていないか確認しながら駅ベンチまで戻ったのですが、無くなっていたんです。わずか20分以内の出来事です。駅員さんに20分以内にあったものが、と説明しましたが、2-3日後に遺失物センターに電話してくださいとのこと。スタジオの方がとても親切で警察にも届け出をしました。
交番でコントのような展開になったのですが(弓ってなに?音楽ってどんな字?とか)、それはともかく、無くしたものが「弓」ではなく、「ケース」や「鞄」という登録になるそうで、膨大な数があがること、見つかってもデータ入力する人が楽器の弓だと見て分からない可能性がある、と言われました。それから1か月半、データベース検索を続けましたが発見にいたらず。
フランスに弓を注文しました(事情を伝えると同情して急いで制作してもえました。ありがたい…)。
<弓のタイプ>
「オールド・ボウ」「ウップランド・ボウ」:ニッケルハルパでは、棹が大きくカーブした古いタイムの弓をこう呼びます。ウップランド地方の曲を弾くのに適しています。慣れれば早い曲でも難なく弾けますが、弓の重さ、バランス、バウンス感に独特感があります。ニッケルハルパはウップランド地方の伝統楽器ですから、スタイルにこだわったり、最初からこの弓が楽器についてきた、といったことで良く使われています。現代のものはスクリューがありますが、古いタイプはスクリューなし、弾く時に指で毛をぎゅっと握ってぴんと張ります。
バロックボウ:バロックバイオリン用のバロックボウと同じスタイルで、直線的で先端が尖っています。イギリスのものやスウェーデンのものなど、バロックボウのお気に入りの作家にニッケルハルパ用の長さを注文して作ってもらう奏者もいます。おそらく10万円前後だと思います。ただ、あまり広がらない理由は、ウップランド地方の曲は逆に弾きにくいこと(何でも慣れれば問題ないですが)、色々いるので絞ってこの人となりにくいのではと思います。
フランスの弓作家、ジャン・クロード・コンディJean Claude Condiの弓:ニッケルハルパの弓として最高と言われています。ヴェーセンのOlov Johanssonはじめ、多くのプロミュージシャン、ニッケルハルパの講師陣、皆が口をそろえてジャン・クロードが良い、払う価値があるといいます。ウップランド地方の伝統楽器なのにフランスの弓が良いというのは珍しいです。価格帯が手ごろなもの作っているようですが、みんなが良いと言っているのは10万円ほどの弓です。掲載した写真にも映っていますが、ほどよくカーブがあります。ウップランド地方の曲も早い曲も両方とも問題なく弾けます。そしてバランスと重量が非常にいいのです。脱力して弾くと、共鳴弦がよく鳴ります。基本のボーイングで「プンッ」というような共鳴弦の立ち上がりを鳴らすのですが、とても自然にできるのです。初めてジャン・クロードの弓で弾いた時に「あれ、出来た?」と思った衝撃を覚えています。練習して言われた通りにやろうとして成功率がまだまだと思っていた頃です。ジャン・クロードの弓でコツをつかめたんだと思います。

今回、「ニッケルハルパ演奏の基本」という動画を作っている途中で新しく作ってくれた弓が届いたので、一部新しい弓で撮影しました。撮影に間に合わず安い弓で弾いてる箇所があるのですが、分かる方には分かると思います。安いほうの弓は金属音のような音がします。
ジャン・クロードの弓が買いたいという場合、本人のウェブサイトがあるのでそこからメールします。Google翻訳を駆使して、フランス語でメールを書きました。弓はarchetです。希望する毛の長さを伝えます。半年待ちと言われて忘れた頃(8~10か月後)に連絡がくる、というのがよくあるパターンです。支払いは銀行振り込み。弓の送料は、1~2万円で、輸入消費税10%がかかる場合があります(10万未満と、複数弓を注文して数十万になった時で、計算が異なる)。
ちなみに、私の印象:
固くて軽い弓:早弾きしやすいけど、初心者には共鳴弦を鳴らす基本ボーイングや、ウップランドの曲を弾きにくい。
軽くて柔らかい弓:共鳴弦は鳴るけど、軽すぎて腕の重みのほうが勝つのか?金属的な音色に偏りがち。
固くて重い弓:弓の重みでしっかり鳴るので曲を選ぶとOK。でも…固くて重いので思ったように操作できない。腕が棒になったような感覚が。
ところで、最近、動画を撮影し始めて、今頃自覚したのですが、私は薬指が内向きに曲がっています。曲げると、薬指と中指でVサインになります。写真だと分からなかったけど動画で見ると魔女の指みたいな不思議な感じに見えます。
次は、「ニッケルハルパ演奏の基本」動画の話を中心に。



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